2013年3月9日土曜日

映画4本まとめて

【2006-05-17のログを転載】

久々に映画紹介です。

     まずは「ナルニア物語:第1章ライオンと魔女」。「ロード・オブ・ザ・リング」に続く児童小説からのSFファンタジー映画です。ストーリーは聖書を基にして作られていて、知らない間にキリスト教的価値観を布教される作りになっています。(こういう話をアレゴリーというのだそうだ。)どんな映画にも価値観があり、それが悪いことだとは思わないのですが、こういった一つの宗教が基軸になった映画がメジャー映画で出てくるのは、どういうことなのかと、ちょっと考えさせられます。しかもディズニー配給なので、子供から大人まで見られる広い視聴者層である点も注目したくなります。
     ただ、映画自体の感想となると、余り出てきません。色々としっくりこない点が多かったというのが個人的感想です。要はライオン(=イエス・キリスト)の素晴らしさを伝えるのが話の筋なので、主人公であるはずの子供たちの印象が余りにも残らないんですね。加えて全体的なCGのクオリティが低く、感情移入できなかったのも理由かも知れません。最終的にこれを見て思うのは「ロード・オブ・ザ・リング」が良くできていたということ。またそっちが見たくなりました。(笑)

     次に見たのは「Fun with Dick and Jane」(邦題:ディック&ジェーン 復讐は最高!)です。ジム・キャリー主演作品ということで見ました。どうも70年代にあった映画のリメイクらしいです。ストーリーはディックが勤めていたIT企業が倒産してジェーンと一緒に強盗稼業をするようになるという話。ジム・キャリーの身体を張った演技は相変わらず笑える訳ですが、映画自体のリメイクもかなり巧くアメリカンジョーク満載です。
     注目は、単なるドタバタコメディーではない点です。社会風刺が巧妙にされていて、笑いながらも納得することが随所に見られました。笑いながらも色々考えさせられるという不思議な映画で、個人的はまた見たいと思えた映画です(研究材料になるなぁ…)。ジム・キャリーが好きな人にはもちろん楽しい映画ですが、アメリカを知っていると尚面白い映画といえます。ということで、アメリカ留学中の皆さん、特にお勧めです。

     反響を呼んだ「Brokeback Mountain」も、遅ればせながら見ました。最近余り見ることが出来ない非常にゆったりとした映画です。映画自体は、非常に切ない「純愛映画」といった感じです。かれらがゲイであるか否かは、この映画の趣旨ではないのでしょう。またはそういう撮り方をしているのでしょう。その点には、共感しました。
     米国で反響を呼んだ理由は、たぶん西部を舞台にカウボーイの二人が恋に落ちるという点にあると思います。カウボーイは「男らしさ/男性性(masculinity)」というもののシンボルとしてずっとイメージが作られてきた歴史があります(例えばマルボロの広告)。ある意味、それに対してこの映画は挑戦しているととれます。(個人的には、そこまで挑戦的な映画ではないと思いますが…それは話がくどくなるので止めておきます。)
     出演者の演技のレベルも高いですし、雄大な自然の撮し方も素晴らしいです。引き込まれる映画でした。アカデミー賞を取った「クラッシュ」よりも見た後に余韻が残りました。うーん、見て良かった。

     一番最近見た映画がニコラス・ケイジ主演作品の「Lord of War」です。ニコラス・ケイジが「死の商人」とも言われる世界を叉にかける武器商人の役を演じています。借りた時は、「武器商人になったこの男。最大の的は自身の良心!?」といったノリでCMがされていたので、「軽い映画」なのかと思っていました。これが大間違い。実際、軽快なテンポで話は進むんですが、ダークな笑いあり、要所要所に重い現実を見せつけられるシーンあり、と複雑に絡まり合った感情を引き起こします。
     そんなこの映画、出資には何故かアメリカ企業が一切関わっていません。配給もカナダの会社。何故でしょう?武器商人の話を最初から最後までしているにも関わらず、実はこの映画、米国政府の批判をしているんです。武器商人をたどるとアメリカ政府にたどり着くのが現代の国際社会の有り様なのですね。「?」と思って気になる方、見てみたらいかがでしょうか。

以上、ここ最近見た映画紹介でした。

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