2013年3月9日土曜日

『イーオン・フラックス』(2005)と『僕の大事なコレクション』(2005)

【2006-06-10のログを転載】

DVDを借りて観たのに、更新せずに残されていた草稿を発見。せっかくなので修正してアップしておきます。
DVDは借り出すと続けて借りてしまいますよね。「ナルニア物語」等々を見た後、全然違う感じの2作品を借りました。今回はかなり軽い映画とマイナー映画です。

 まず見たのは、シャーリーズ・セロン主演作の「AEON FLUX」。下馬評ではさんざんな評価をされている映画です。そこまで酷い理由を自分の目で確かめてみようという思いもありましたが、たまには綺麗なお姉さんもみたいという思いもあり、借りちゃいました。
 感想としては……正直な話、シャーリーズ・セロンの華麗さばかりが記憶に残る映画です。でも、余り期待せずに見たので、映画自体もそこまで酷い印象は受けませんでした。流石にいいSFアクション映画とは言えませんが、人の記憶、歴史、生きるということについてなど、根底にあるテーマには面白い要素が含まれていると思います。(オリジナルである、アニメが良かったのかも知れませんね。)科学の発展とそれによって延びる人間の生きられる限界点。そこに着目しているところはいいと思います。それでも、同系統の物語であれば、日本のアニメ「攻殻機動隊」の世界観には、その完成度でいえば負けている印象を受けます。
 ということで、SFアクションが好きでシャーリーズ・セロンは綺麗だと思う人にお勧めします。それ以外の方は……、まぁそういうことですね。

 次に見たのは、ホビットでお馴染みのイライジャ・ウッド主演作品、「Everything is Illuminated」(邦題:僕の大事なコレクション)です。彼は、ホビットのイメージを払拭すべく、役柄を開拓している様子。「SIN CITY」では殺人鬼の役を演じましたが、今回は変な収集癖をもつユダヤ系アメリカ人青年のジョナサン役です。
 この映画は、とことんアクの強い映画です。まず主人公は、家族の物をジップロックの袋に密閉して収集保存する癖をもっています。彼にとっては、写真を撮ってアルバムに収めるよりも、もっと「生」な思い出を保管できる行為なようです。
 そんな彼は、死を目の前にした祖母から祖父と謎の女性が写る写真をもらいます。写真の裏には「アウグスチーネとトラキムブロイドにて」とメモが。祖父の恩人というその女性はどんな人なのか?家族の思い出コレクターとしては、知らずにはおけません。そして、彼は祖父の故郷ウクライナへと旅経ちます。
 ウクライナに着いてからは、日本人の若者と同様に米国本土とはかなりズレた形でアメリカ文化にかぶれる通訳兼ガイドのアレックスと運転手役の彼の祖父とその犬、3人と一匹ののほほーんとした珍道中です。しかし、そんなのほほーんとした物語から見えてくるのは、その土地とそこに住む人々の深い歴史の影です。どんな歴史なのかは、見て感じてもらうしかないでしょう。マニアックな笑いを誘いながらも、じんわりと涙も誘う、そんな映画です。

 今回の2作品、全然違う映画ですが、意外に共通するテーマを感じました。それは、「人は歴史無しには存在しないし、生きてる限りそこには死が伴うものである。それが人間の歴史であり、人生である。」と、いったものです。ジャンルが違っても、通じ合う作品ってあるものですね。まぁ質的には、かなりバランスが悪いので、一緒に見ることまでは、オススメしませんけどね。(笑)


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