2013年4月13日土曜日

【先取り:9月7日公開予定】『アップサイドダウン 重力の恋人』(2012)




日本では9月7日公開予定の『アップサイドダウン 重力の恋人』は、『スパイダーマン』シリーズで有名なキルスティン・ダンストと『クラウド・アトラス』で知名度の上がったジム・スタージェスが主演のSFラブファンタジー映画です。製作国は、カナダとフランスです。

【あらすじ】
舞台は、架空の双子惑星。そこは、「上の世界」呼ばれる富裕層が住む惑星と「下の世界」と呼ばれる貧困層が住む惑星が寄り添い、鏡を向かい合わせたように真逆の引力に縛られた世界。二つの世界の交流は公式には2つの世界を唯一繋いでいる「トランスワールド社」を通じてのみ可能な中、「上の世界」のエデンと「下の世界」のアダムは、幼い頃に惑星同士が近づく山頂で知り合い、愛をはぐくもうとするのですが…。

【予告編】

【オススメ度:★★★☆☆】
カップルが観る場合:★★★★☆
この映画は、まず世界観を理解しないといけません。
この双子惑星には、3つのルールがあります。
  1. 全ての物質は、それが生まれた惑星の「引力」に縛られる。
  2. ある物質の重さは、反対の惑星の同等の重さの物質で相殺できる。(「逆性物質」)
  3. ある物質に触れた「逆性物質」は、ある一定の時間経つと摩耗し、燃えてしまう。
これは人も同じで、どっちの惑星に居ようが、自分の生まれた惑星の「引力」に縛られてしまいます。そんな互いに逆の引力に縛られ、しかも社会的にも禁じられた二人の愛は、カップルが観ればたまらなく切なく感じられることでしょう。それでいてそこまでシリアスでもないので、デートには最適です。

しかし、映画を映画として観てしまうと消化不良といった点が顕著で、オススメ度も下がってしまいます。格差社会を視覚的に表した世界観は良いし、映像美も優れているのに生かし切れてない…という印象。(ほんとにもったいない!)

【注目ポイント:美しい世界観】
現実にはあり得ない上下逆さまの世界は、美しくそしてリアリティを保ちつつ描かれいて、SF好きには必見です。他には無い、不思議な「引力」のルールがまたその映像美に拍車をかけていると思います。ラブストーリーには興味が無く「映画館では…」という方もDVDやブルーレイが出る頃には、ぜひ観てみることをオススメします。


↓良かったらクリックお願いします!

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村


映画 ブログランキングへ

2013年4月7日日曜日

『シュガー・ラッシュ』(2012):ディズニーの本気




シュガー・ラッシュ』(原題:Wreck-It Ralph)は、ゲームセンターのゲームの世界を舞台にしたディズニーアニメです。製作総指揮にディズニーそしてピクサー両方スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジョン・ラセター、監督に大人気テレビアニメ『ザ・シンプソンズ』の製作に関わったこともあるリッチ・ムーアを迎えた意欲作です。

【あらすじ】
クラシックと化したゲーム機「フィックス・イット・フェリックス」で長年悪役を演じ続けるのに嫌気がさした“レック・イット”・ラルフは、ヒーローになりたくて掟を破って他のゲーム機の世界へ。ドタバタの末たどり着いたのは、お菓子の国が舞台のレースゲーム「シュガー・ラッシュ」。そこで同じようにのけ者扱いの女の子ヴァネロペと出会い、一緒にレースに参加することを目指すのですが…。

【オススメ度:★★★★☆】
あちこちに話の舞台が飛ぶ辺りは、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) の傾向が強い子供が増えてそんな子供でも飽きないようにという配慮なのか、制作者側の現代っ子のイメージがそうなのか…といった印象も受けますが、全体としてはハラハラドキドキと展開の読めない見て損はない映画になっています。往年のゲームのキャラクターが随所に登場するのでゲーム世代の大人も楽しいです。

【注目ポイント:ディズニー映画の新境地】
この映画は、ディズニー傘下のピクサー・スタジオではなく、ディズニー・スタジオの映画です。(この違いを知っていると映画通として言えるかも?)

実は、ここ数年のディズニー配給映画で高収益を出しているのはピクサー・スタジオからの物。ディズニー・スタジオと言えばプリンセス物をずっと押していたのですが従順で無垢(無知)なプリンセス(女性)像は、現代には合わず、つぎ込んだお金に見合うような収益が出ていませんでした。

そんな中でディズニー・スタジオの看板を背負ってのこの映画は、ディズニーというブランドにとっては新境地の開拓と言えます。社会風刺と皮肉たっぷりのジョークが売りの「ザ・シンプソンズ」に関わった現代的なムーアを監督として使い、しかも、総指揮のラセターはピクサー作品で失敗知らず。その二人を使って、対象の親も子供もゲーム世代の家族相手にそのままゲームをテーマに映画を作ってしまう。もうなりふり構わずなディズニーの姿が見えませんか?

そんなディズニーの本気度が現れている所、ぜひ注目です!




↓良かったらクリックお願いします!

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村


映画 ブログランキングへ