かなり遅ればせに観たのが、公開当初から随分と話題となった『アバター』(原題:Avatar)です。
日本では『アバター』と言えば、言わずと知れたジェームズ・キャメロン監督作品であり、3D映画の代名詞という感じで受け入れられているように感じますがどうなんでしょうか?
この映画はSF大作ですが、ただCGがすごい映画として観てはもったいないかもしれません。ちょっと通な(?)観方としては、ディズニーの「ポカホンタス」を見ておいてストーリーを覚えておくと面白いと思います。
『アバター』と『ポカホンタス』は、印象としてはSF大作映画と子供用アニメ映画とまったく違う映画に思えます。ですが、個人的な見解ではありますが『アバター』の基本ストーリーは『ポカホンタス』を基にしていると言っても過言ではありません。
練りこまれたCGに3Dに惑わされずにストーリーを追うと、あるのは<侵入者>対<先住民>の構図と、それに絡められて生まれるその対立を越えた異人種間ラブストーリーです。『アバター』では、「地球人」対「異星人」ですが、『ポカホンタス』では「ヨーロッパ人」対「アメリカ先住民」となっていますが、恋をするのは結局のところ、両方ともに「白人男性」と「先住民の女性」です。そう思うと『アバター』は、意外に「新しくない」映画と言えなくもないですね。
ということで、視点を変えて見ると、『アバター』は最新の技術を駆使した古典的ストーリーの焼き直し映画と言えます。映画好き同士だったら、こういう話を交えると映画の感想を言い合ったりする時に楽しいかもしれませんね。
ちなみに、この映画はアメリカ研究者にとっては、アメリカ文化を知る上での格好のテキストだったり研究材料だったりします。それは、上記の通り、『アバター』は、未来を描いていはいても、過去からアメリカ人が慣れ親しんでる物語のテーマや「白人/男」と「先住民/女性」の関係性など、主流文化の価値観に多くの部分で依存しているためです。
この辺のマニアックな批評は、説明し出すと長くなるので今回の感想はこの辺で。。。
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