2013年3月15日金曜日

『ヒックとドラゴン』(2010):マンネリを打破した王道ファンタジー

【2011-06-16のログを転載】




今日は「ヒックとドラゴン」(原題:How to train your dragon)の感想です。

「ドリームワークス×アニメ」となると思い浮かぶのは、パロディアニメ「シュレック」シリーズでしょうか。どうもディズニーとは違うんだと言わんばかりにパロディ路線を進んでいる印象でした。しかし、今回の「ヒックとドラゴン」は、思いも寄らぬ王道ファンタジーでした。

【あらすじ】
勇猛果敢で有名なバイキングが暮らすある島では、太古の昔からドラゴンと戦い続けてきました。その族長の息子として生まれたヒックは、父親のDNAを受け継いでいないかのように貧弱な体に弱気な心の持ち主。そんなヒックはひょんなことでドラゴンを一匹捕まえることに成功します。しかし、みんなの様にドラゴンを殺そうとはせず、ヒックは仲良くなることを決意します。そして、彼は長きにわたるバイキング対ドラゴンの戦いを終わらせる決意をするのですが、そこは勇者でもない弱虫ヒックです。一筋縄ではいきません。

【オススメ度:★★★★☆】
大人の僕が観ると今一歩という感じですが、子供が観たらこれは五つ星かもしれません。3Dで観たら尚のこと楽しいと思います。よく観ていると、ジブリやディズニー作品へのオマージュとも取れるシーンがちらほらとあります。特に男の子や少年の心を忘れてない男性が楽しい映画かと思います。

【注目ポイント:マンネリの打破】
この映画には、「人」対「ドラゴン」の構図があります。ファンタジー映画の典型としては、これは「私たち」対「敵」、「善」対「悪」の構図です。しかし、この映画はそれを崩してきました。「人」は「ドラゴン」と分かり合える=「私たち」は「敵」と分かり合えるというメッセージを打ち出してきました。こういったメッセージが含まれた映画がアメリカで出てきたこと、これは賞賛に値すると思います。ここにはディズニーがつまずいたマンネリの打破があり、それがこの映画を面白くしていると思います。特にラストは必見です!

【英語レベル:★★★★☆】
子供映画なのに、結構英語は難しいと思います。それは登場人物がバイキングだからかと思います。北欧の英語のアクセントをイメージしているようで、クセの強い英語に慣れないとちょっと分からないかも知れません。



おまけ…
【ネタバレ裏批評】
実はドラゴンと和解するストーリーですが、和解できないドラゴンが1匹登場します。それが、ドラゴンの親玉的な巨大で凶暴なドラゴン。ドラゴンと仲良くなれると言っていたヒックもコイツだけは別格らしく、仲良くなろうとはせず殺してしまいます(もちろん死んでるところは映りませんが…)。しかも、ヒックが捕まえたドラゴンやバイキングが捕まえていたドラゴンを使役して、彼らの力を利用して倒します。このシーンには和解の余地は1ミリもありません。ここから分かるのは、仲良くできるドラゴン(敵)は、家畜化/ペット化できるモノのみということです。ここにハリウッド映画の限界があるように思います。



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