2013年3月11日月曜日

『マイティ・ハート -愛と絆-』(2007):国家を超える愛と絆

【2007-12-05のログを転載】



先日、久しぶりに映画館で映画を観ました。
選んだ作品は、アンジェリーナ・ジョリー主演「A Mighty Heart」(邦題:マイティ・ハート -愛と絆-)です。本国アメリカでは、興業的に大コケしたとのニュースを読んでいたので、「大丈夫かなぁ」と少し心配だったのですが、ブラッド・ピットがプロデューサーだということに期待もしつつ観てきました。

平日のレイトショーということで、他にお客さんは数名で贅沢な空間で鑑賞できました。静かな館内が映画にはピッタリでした。

「A Mighty Heart」は、実話を元にした映画です。パキスタンはカラチでアメリカ人ジャーナリストが誘拐されます。その夫を待つ妊娠中の妻役がアンジェリーナ・ジョリーです。誘拐された夫の名は、ダニエル・パール。そして妻の名は、マリアンヌ・パール。映画は、出版されたマリアンヌの手記をベースにしているそうです。

映画は、リアリティーを追求しようと大げさな演出は控えられているように感じます。異国の地のほこりっぽい空気感と拉致事件解決を願い奔走する妻や友人、警察の緊迫感がただただ伝わってきます。とても「生」っぽさを感じます。

映画タイトルの「A Mighty Heart」(力強い心)は、マリアンヌを表しているように感じました。彼女自身もジャーナリストであり、友人などの協力を得て、警察と共にどうにかして拉致に荷担した人々・テロリストを突き止めようとします。拉致・誘拐を主題とした映画では、ひたすら不安に待ち続ける家族が描かれることが多いように感じますが、この映画ではテロに負けぬ意志を維持し続ける妻の姿を写し続けます。夫の「死」を眼前に妻(母)は「生」を示し続けるわけです。
そこにこの映画の良さが表れているように思います。

また、(ちょっと難しい話かも知れませんが)国家や国籍というものが相対化されている点も評価できるかと思います。ハリウッド映画では、国や国籍が軸になることが多々あります。「アメリカ(人)VS 悪」というのは、よくある構図かと思います。その軸をはずして「ひと」を中心に据えて、国の枠を超えて人が協力する姿を撮っています。ここには、ブラッド・ピットなどプロデューサーや監督のメッセージが込められているように思います。

テーマがテーマだけに切なく苦しい物語ですが、見終わった時の感覚は、悪くないと思います。少々複雑なストーリーだとは思いますが、平和ボケした脳みそを刺激してみては?


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